25周年対談『泉館長×ターザン山本』第4話『アメリカ』
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第4話
アメリカ
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アメリカ本土をぐるっと回る
泉館長:
ベトナムやヨーロッパなど、
そういえばアメリカのプロレスをこれまで、
ちょうどコロナも落ち着いてきて、父親の年齢とか、
「行くなら今、一回ぐるっと見てみよう」と思ったんです。
プロレスはもちろんですが、それ以外にも
シリコンバレーが今どうなっているのか、
ニューヨークはどうなっているのか、
ラスベガスにもレンタカーを走らせていってみたい、
ロサンゼルスではリトルトーキョーに泊まって、
諸々、
ターザン山本:
それは正しいよ。
アメリカって、やっぱり一つじゃないんだよね。
同じ国でも土地が違えば空気も違うし、文化も違う。
プロレスを見るなら、なおさらそうだよ。
泉館長:
本当にそうでした。
途中、ニューヨークまでは家族と一緒にいったんですが、
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マジソン・スクエア・ガーデン
泉館長:
ニューヨークでは、マジソン・スクエア・ガーデンに行きました。
その時はプロレスの試合はやっていなかったので、
そうしたら、ちゃんと
第1回レッスルマニアの時のハルク・
が飾ってあるんですよ。
「これがあの時のやつか」と。

しかも案内の人が、
「これが今どんな匂いがするかまでは俺は説明しないけどね」
みたいな冗談を言いながら説明していて(笑)
でもそれくらい、
「ああ、こういう形で、

ターザン山本:
アメリカはそういう“歴史の見せ方”がうまいんだよ。
過去を博物館に入れるだけじゃなくて、今の価値として見せる。
そこは強いよね。
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フィラデルフィア、街全体がレッスルマニア
泉館長:
そして、
レッスルマニアを生で見に行きました。
実際に着いてみると、会場だけじゃないんですよ。
もう街全体がレッスルマニア。
いたるところにビジョンや看板が出ていて、
大聖堂のあたりにもジョン・シナ、ザ・ロック、コーディ・
しかも、
改めてこのスケール感に、「すごいな」と思いました。
日本でも1.4東京ドームがあって、その前後で“
でも、やっぱりこの規模かと。
週プロ時代、
ターザン山本:
レッスルマニアは大会じゃないんですよ。
都市全体を巻き込んだ現象。
編集長の頃、毎年行ってましたよぉ。
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フィラデルフィアはロッキーの街
ターザン山本:
フィラデルフィアって、ロッキーの街じゃないですか。
泉館長:
そうだ、言い忘れていました。
私、小学生の頃からロッキー大好きなんです(笑)
だからフィラデルフィアというだけで、
レッスルマニアを見終わった後、
真夜中に3時くらいまでやって、そこからホテルに帰ってきて、
ロッキーの名所を回りました。
ソルナの林さんと一緒に。
林さんは神戸でプロレスのお店をやっているという点では大先輩で
毎年レッスルマニアにもWWEからの仕事で来ていて、
朝ロッキーが街を走る映像をつなぎ合わせて、
最初の家、エイドリアンを招き入れたあのアパートにも、
現地で調べて、行ったんです。
最後は有名なあの階段ですね。
ロッキーが駆け上がるあの場所。
林さんにずっと私が走る映像を撮ってもらって、
贅沢なお遊びとしてミーハーに(笑)。
ターザン山本:
パチパチパチ
それは行きたくなるよ。
フィラデルフィアはプロレスだけじゃなくて、
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プロレスショップ「Suplex」
泉館長:
また調べてると
「フィラデルフィアにはプロレスショップがあるじゃないか」
と分かったんです。
それが Suplex でした。
これは行ってみたいと思って、レッスルマニア2日目の昼間に、
ただ、タイミングが悪くて、
もうこれからレッスルマニアだから今日は早仕舞い
という時間だったんです。
ちょうどドアが閉まってたところで、
「あちゃー」と思っていたら、友人が交渉してくれて。
「彼は日本の闘道館から来たんだぞ」
と店の人に伝えたら、店長が出てきて、
「あんたが闘道館のファウンダーなのか?」
と。
「そうです」と答えたら、
“OK, ten minutes.”
と言って、一度閉めた店を特別に10分だけ開けてくれた。

しかも、その時締め出されていたお客さんたちも
「おおー!」と拍手して、またみんな入れることになった(笑)。
ターザン山本:
それは嬉しいよ。
闘道館って名前が、
泉館長:
しかも店長がまたいい人で、
「俺は闘道館には行ったことない。でも知っている」
「ツーフロアでやっていて、
「見てくれ。うちも2フロアにして、
「いつか闘道館みたいにするのが俺の夢なんだ」
としみじみ語ってくれて
もちろんちょっと盛って言ってくれている部分もあると思いますけ
アメリカのショップオーナーがそんなふうに言ってくれるのは、
今度はアメリカのショップの側が闘道館に対して持ってくれている
そう思うと、ちょっと感慨深いものがありました。
しかも店員さんたちも本当に感じがよくて、
店を出た後にわざわざ走って追いかけてきて、
「これ食べて、これ食べて」
と、アイスキャンデーみたいなものを持ってきてくれた(笑)。
ああいう気持ち一つ一つが、すごく嬉しかったですね。
ターザン山本:
いい話だね。
最後は人なんだよ。
商売も文化も、結局そこに行き着く。
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レッスルマニア会場の巨大さ
泉館長:
レッスルマニア自体も、やっぱりさすがでした。
アメフトの大きな会場がパンパン。
東京ドームより明らかに大きい会場です。
それで当日券を買おうとしたら、
一番安い上の方の席で500ドル!(8万円くらい)
「そんなんみんな払ってるの?」と驚きました。
でも入ってみたら、アメフト用の巨大スタジアムが超満員。

ターザン山本:
祭りなんだよ。
一年かけて作る巨大な祭り。
だからみんな、その場にいるだけで満足するんだ。
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レッスルコンという別世界
泉館長:
そして、そこで林さんに言われたんです。
「泉さん、レッスルマニアもいいけど、
レッスルコンいうのもあるんやで」
私はその時、全然知らなかったんです。
WWEの公式イベントとは直接関係ない。
でもレジェンドたちが一か所に集まって、
「泉さん、それ見といた方がええわ」と。
それで行ってみたんです。
近くのホテルでやってたんですが、
ターザン山本:
ブースが山ほどあるでしょ。
泉館長:
そう。
100ははるかに超えてそう。
それそれのテーブルにいろんなレスラーがいて、関係者がいて、
普通にテッド・ディビアスとか、スネーク・ロバーツとか、
こんな規模でこんなことをやっているのかと。
レッスルマニアを見に世界中からファンが来て、
「これはすごいな」と思いました。
そこで
“闘道館も、ここに一回出してみたい”
と思ったんです。
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翌年、闘道館はラスベガスへ
泉館長:
それが2年前のフィラデルフィアで、
その翌年、今度はレッスルマニアはラスベガス。
闘道館としてブースを出しました。

テーブルを借りて4日間。
レッスルコンは1日じゃないんです。
4日間連続である。
目の前に武藤さんのブースがあったり、
日本からもいろんなレスラーが来ている。
格闘技系だと、PRIDEのドン・フライ、バタービーン、
プエルトリコから来ているブース、
本当に色とりどりなんです。
世界中のプロレス文化の見本市みたいになっている。

ターザン山本:
スケールが違う。
泉館長:
本当にそうでした。
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マイク・タイソンの1000人超行列
泉館長:
しかも、そのラスベガスのレッスルコンでは
マイク・タイソンまで呼んでいたんです。
これがもう、とんでもなかった。
1000人を超える大行列。
扉のずっと先まで、延々と並んでいる。
「これ、タイソンの拘束時間を考えたらどうするんだろう。
丸一日やるのかな」
と思ったんですが、全然違った。
ターザン山本:
タイソンは別格だからね。
ボクシングの枠を超えてる。
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ベルトコンベヤーのように捌く
泉館長:
感心したのは、その捌き方です。
まさに
ベルトコンベヤー方式。
30人ずつ、学校の1クラスみたいな単位でポンポンと区切る。
まずその30人をまとめる。
次に、サインしてもらいたいものを先に出させる。
スタッフが
「これはOK」「ここに書く」
と事前に確認して、タイソンに渡す。
タイソンは来たら、
一瞬で座って、サインして、次。
私はレスルコンのパスにサインしてもらおうと思っていたんですが
縦向きで差し出したら、タイソンが一瞬
「ん?」
と止まって、
「あ、こっちの方が書きやすいね」
みたいな感じで向きを直して書いてくれた。
その後、写真も一回か二回パッと撮って、終わったらすぐ裏へ。バックヤードでスタッフがモニターでその場で確認して、
証明書もすぐ印刷する。

全部が
オートマチック。
「ああ、これがアメリカンスタイルか」と思いました。
ターザン山本:
ビジネスだよ。
泉館長:
本当にそうです。
仮に一人3万円として、1000人来ていたら3000万円。
しかも実際には1000人以上来ていたと思うので、、、
数時間でタイソン、これだけ稼いでいくのか。さすがだな。
そう思いました。
ターザン山本:
スケールが違う。
日本のサイン会とはレベルが違うね。
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現場主義と捌き
ターザン山本:
でも結局、あれは
現場主義
なんだよ。
その場でどう回すか。
どう判断するか。
瞬発力、判断力、処理能力。
プロレスラーで言えば
捌き
だよ。
リングの上で状況を読んで、空気を読んで、瞬間で判断する。
ビジネスも同じなんだ。
泉館長:
そうですね。
確かにレッスルコンを見ていて、
「商売の原点」を見た気がしました。
どこに何を置くか。
どう見せるか。
どう流すか。
普段、闘道館でも考えていることなんですが、
それが極端な形で、しかも巨大な規模で行われていた。
今年もラスベガスでやるので、もう一回行く予定です。
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ところ変われば品変わる
ターザン山本:
ところ変われば
品変わる
だよ。
泉館長:
本当にそうでした。
同じプロレスでも、国が違えば見せ方も売り方も違う。
でも、その違いを知るほど、日本の良さも見えてくるんです。
アメリカを見たからこそ、
逆に日本の独特さ、強さ、面白さも改めて見えてきた。
ターザン山本:
アメリカはビジネスが先。
日本は情が先なんだよ。
泉館長:
情。
ターザン山本:
そう。
そこが日本独特のプロレス文化ですよぉ。
世界にはいろんなプロレスがある。
でもその中で、日本のプロレス文化もやはり独特で、
次回
第5回
猪木さんの死去と猪木展
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