プロレスマスク、フィギュア、Tシャツなどプロレス・格闘技グッズの買取販売をしております

【闘道館】20周年記念特別対談 ~ターザン山本×闘道館館長~ 第18回

⑰格闘文化の継承   <目次>  ⑲スタッフたちと>>

闘道館20周年記念特別対談
ターザン山本×闘道館館長

⑱二度の移転

館長:最初、クーラーを直してくれないのがおかしいなあと思ったんですよね。大家さんがクーラー直せないって。
いやいや直せなくはないでしょって。
でも「古いから直せない。いやだったら出て行って」って言われて。
おかしいなあと思いながら、
真夏にクーラーがつかないので、扇風機や冷風機とか買ってきて、来たお客さんにはうちわを渡すんですけど(苦笑)
でもお客さんもスタッフも汗だくになりながらひと夏乗り越えて。

そうこうしているうちに、いよいよ、なんか裏の東京歯科大がこの辺いったいを買収していることがわかって。だから早く出て行ってほしいと。途中から家賃も手渡しだったんですけど、受け取ってくれなくなって。

移転先を探すんですが、でも5F6F分の売場を移すちょうどいい物件なんてそんなすぐ見つからないし。
困ったなあと思って、しばらく我慢比べみたいに粘ってたら、
そしたら、ちょうど水道橋西口の駅の目の前に、空いてるテナント募集の張り紙をみつけて。
あー、ここに移れたらいいなあって。

ターザン山本:そうだよ。一番、絶好の場所ですよ。駅のすぐそばだもん。

館長:で、すぐ張り紙の電話番号に電話して。
交渉したら、そこは63坪あって。うちが当時17坪×2フロアーで34坪だったので、ほぼ倍増になるので、家賃とか当然あがるんですが、ちょっといろいろシュミレーションしてみたら、なんとかなりそうな話だったんで、とにかく入りたいんだと、一気に話まとめて。
 
▲水道橋西口駅前へ窓看板を設置 2013
年11月
 
ターザン山本:ラッキーだったねえ。

館長:ラッキーでした。

ターザン山本:館長はね。持ってるよ。

館長:ハハハ、ありがとうございます。持ってるってことで(笑)

ターザン山本:持ってなかったら、そういう流れにはならない。ずーっと館長は持ってる。もち続けてる。なぜもち続けれるか。勝負どころで、粘り強いからです。

館長:まあ、往生際悪いとこありますから(苦笑)
で、TKビルは、駅の真ん前にあって、ちょうど入った4FはJR総武線の線路と同じ高さで、電車のってて見えるっていう。これはいいな。
しかも駅の後楽園ホール側だし。

せっかくこの最高の立地で、プロレスショップとしては過去最大の大きさでやらせてもらえるんであれば、まずはプロレス格闘技の資料館的な、なにか調べ物するときにまず真っ先に使ってもらえるくらいバックナンバーや書籍をなるべく揃えて、中古販売ではあるんですが資料館的な要素と、さらにモノを通して歴史を学べるような博物館的要素も、兼ねれるんじゃないかなあと。

そして、もっといろんなイベントも積極的にやろうと。
中古販売して過去のモノを扱いながら、今のレスラー、関係者をよんで生のリアルなものをやる。それを両輪でやっていくことが、できたらいいなあと。
ただイベントスペースは、今考えると。。。

ターザン山本:狭かったけどね。倉庫みたいなとこでやってるんだもん(笑)

館長:裏のバックヤードをイベントやるときだけ、荷物運びだして無理やりスペースつくってましたから(苦笑)
え、これイベントスペースって言っちゃっていいの?っていう(笑)

ターザン山本:マットイベントみたいなもんですよ!マットプロレスのイベント版みたいな。

館長:(笑)それでも駅前に移ってからは、いろんな選手が日常的に来てくれるようになって、動画の配信もやってみたり、先生ともいっぱい想い出に残るイベント。新間さんと東京プロレスの真実ってやったり、石井館長に来て頂いたときは、個人的に特に感慨深かったですねえ、自分が大阪時代、入門できず、もし入ってたら門下生になってたはずの人とこうやってしゃべれるっていう。嬉しかったですね。

でも、ちょっとすると、確か2年ぐらいでまた、出て行ってほしいと。
建物が老朽化してるから東京オリンピックまでにホテルに立て直すと。
契約するときは「あと10年くらいは大丈夫」って話を聞いてたんで、そりゃないだろうって。
「話違うじゃないですか、困ります」って。

ほんとにマズイとおもったんで、ビルのオーナーに、手紙書いて。
プロレス格闘技専門店として、うちがこの立地でやらせてもらえる意味と、次回のオリンピックはなんでも新しい建物をたてるんじゃなくて、昔のレガシーを大事に、日本武道館もそのまま使うじゃないですかと(笑) TKビルもこの機会に、東京ドーム至近のこの地を活かして、うちのプロレス格闘技以外にも、野球とか、音楽LIVE関係の専門店もつくって、世界からくる観光客が注目するJAPANカルチャービルにしましょうよって。ホテルなんて、どこにでもあるものを建ててもしょうがないじゃないですかって。
陳情なのか、企画書なのか(笑)、とにかく気持ちを込めた長文の手紙を送ったんですが。

ターザン山本:館長らしいね

館長:そしたら、オーナー側はこいつとは話し合っても無駄だと思ったんでしょうね。
あっさり訴えられちゃって(苦笑)
裁判起こされたんです(笑)
もちろん裁判なんて生まれてはじめてで。
あれ、突然届くんですね。
ぶっとい訴状が(苦笑)

ターザン山本:うん。突然届くよ。

館長:ぶっとい封筒が2つ届いたと思ったら、それぞれ、被告・株式会社我流事典、被告・泉高志って。中開けたら書いてあって(苦笑)
おぉー、オレもついに被告になったかあ!って(笑)
悪いことしてないのに、犯人みたいで響き悪いけど、でも、なんか重みがあってカッコいいなあって。
先生の「取材拒否」のときみたいな感覚ですかね (笑)

ターザン山本:ククク。

館長:ああ、こう来るかって。まあでもしょうがないなって。腹くくって。
裁判っていう仕組みには興味あったので、この機会に勉強して、正々堂々と闘ってみようと。こっちこそ言いたいことあるわ!って。
立退き関係の本をいっぱい買いこんで、本当に立退きが必要なほど建物が老朽化してるのか?
ビル側が提出している耐震診断の結果を一級建築士の先生に診てもらって、そしたらやっぱり、かなりデタラメな面がいくつもわかって。
こっちが主張できることを毎月毎月期日までにまとめて提出して。
途中からは一揆塾に来てくれてた、弁護士の大西先生に弁護をお願いして。
TVのニュースでよく出てくる東京地裁の建物に入っていくんです。

でも裁判って。裁判官がお互いの主張を聴いて、バシッと判断というか、判決出してくれるもんだと思ってたんですけど。

裁判始まってみたら、とにかく、お互いに話し合って、妥協点をみつけて、判決に行く前に、和解しろと。

基本的に裁判官って判決文、書きたがらないんですね。
裁判官は女性の方だったんですが、こちらがいくら水道橋がマット界の聖地で、あの場所で闘道館をやる意味とか、訴えても、何も響いてなく関心なさそうで、早くこんな案件処理しちゃいたいっていうのがアリアリ伝わってきて。

要所要所で、原告側が席を外して、裁判官とこちら側だけで話し合いをするんですが、
「そんなこと言っても、立ち退かなきゃダメだから。早くお金の相談して和解しちゃいなさい。そうしないで判決になったら、お金もほとんどもらえなくなりますよ。早く諦めなさい」っていう主旨のことを強く言われて。
和解させようとするプレッシャーがすごくて。
原告側にはまた違う言い方で、プレッシャーかけてたんでしょうけど。
1年闘った結果はある程度の立退料はもらえたけど、数か月以内に立ち退かなきゃいけない痛み分けのドローって感じの和解になって。

その和解して出ていかざるをえない状況が見えてきたときに、
じゃあどうするかって。
水道橋で規模を半分に縮小してやるか。
他の地に移って、再出発するか。

いままで、水道橋、水道橋って。水道橋をプロレス格闘技の街として盛り上げたいっていうのもあったんだけど。逆に言うと街にたよってきた面もある。
水道橋から離れて、それでも成立できれば、それはそれでプロレスの力の証明になる。
水道橋以外のところって、視野を広げて探したら、たまたまここ(巣鴨)が見つかったというか、出会ったというか。
 
▲水道橋から巣鴨へ
 
▲巣鴨店舗契約時 2018年1月
 
ターザン山本:うん。よかったね。

館長:ここだったら、120坪になって、水道橋駅前のさらにほぼ倍に拡大することになるし。
場所も水道橋ではないけども、山の手線の駅である巣鴨から徒歩1分で地方からくるファンにとっては便利なはずだし。
ここでこの規模でやれれば、他のスポーツ専門店では考えられないプロレス格闘技の力の証明になるって。
それはプロレスっていうジャンルの持つ豊かさっていうか、全国にいる熱心なファンがいることの証明の一つと言えるんじゃないかなと。
何を偉そうにって思われるかもですが、自分の中ではそこを証明してやるぞって。
リスクも高いけど、ここなら自分がドキドキしながら再挑戦できるだけの魅力がある場所だって。
立退料全部とさらに私の貯金もつぎ込んで、もう一回勝負だと!
  
巣鴨の駅のホームからはっきり見えるように、建築基準ギリギリの大きさまでめいっぱい、看板でっかくして。
巣鴨って、まあ世間の象徴みたいなイメージもある街なので。
 
▲スケルトン状態からの再出発
 
▲2021年4月4日現在
 
ターザン山本:うん、ここは保守的な街だよ。地元の年配者が多いから。

館長:そこでプロレスのジャンルのパワーをバーンと見せつけたいというか。小さいころ親や学校、そして今回、また裁判官からも感じた偏見に対するアンチテーゼみたいな思いも込めて。
世間に向けて、アピールしてやるぞって、俺たちはここで、この世界で生きてるぞって。宣言するつもりで。

ターザン山本:うん。

館長:で、せっかくやるなら水道橋のとき、かなり狭かったイベントスペースをキチンとつくろうと。先生にも移転のときまたイベントやっていただいて、「私とプロレス」そして「前田日明×藤波辰巳」イベントの司会をやっていただいて。

そういえば、水道橋の駅前のときも、シークレットでうちのスタッフだけに一度、特別講義やっていただきましたね。

ターザン山本:やったねえ!

館長:いままで勤めてくれたスタッフのこと思い出すと。。。
 
▲2020年1月4日 外国人ツアー客で開館前に行列が
 
▲水道橋駅前時代のメモリアル記念動画
 
⑰格闘文化の継承   <目次>  ⑲スタッフたちと>>
【闘道館20周年記念コンテンツ】

・闘道館20周年記念企画
(買取アップ / 通販:ボールペンプレゼント / 来館:綱引きマッチ)

・「闘道館レガシー珈琲」特設ページ

最新のお知らせ

商品カテゴリ

facebook