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闘道館20周年記念特別対談
ターザン山本×闘道館館長

⑯ブッチャー&マスカラス列伝

館長:で、やってるうちに、レスラーも店に来てくれたり、中には直接コスチュームを売ってくれる選手も現れるようになって。

ターザン山本:うん。いろんな選手、来てたねえ。  

館長:特にインパクトあった想い出を挙げるとすると、
印象深かったのはやっぱりアブドーラ・ザ・ブッチャーですねえ。

ブッチャー本人が今、東京ドームホテルにいると。
そのとき外人レスラーが来たら、滞在中のお世話をすることを昔から熱心にされている方がいて、私にとっては選手のサインのこと教えてくれるブレーンにもなって頂いてる人なんですが、その人から電話かかってきたんです。

「ブッチャーがコスチューム売りたがってるんだけど、店まで行けないから、ホテルまで来てほしいっていってるよ」って。

おぉお、あのブッチャーから出張買取依頼!?
すげえ、と思って、深夜だったんですけど、すぐホテルの指定された部屋に直行して、
ピンポン押したら、「カムイン!」って聞こえて。

ガチャッと開けて部屋入っていったら、素っ裸で、バスタオル一枚腰に巻いただけのブッチャーが、ドーンと椅子に座って、テレビを大音量で見ていて。完全に無表情で(苦笑)

ブスッと していて、すごい不気味で、コワって、思ったんですが、テレビ見てるので、話かけるのも失礼なのかな?って戸惑ってたら、  私を一瞥した後も、そのままテレビを見続けるので、
しばらく私もテレビを一緒にみてたら、
途中で急にブチッとテレビを切って、私の方に向き直って。
「何が欲しいんだ」って。
「いっぱいあるぞ」って。
大きなスーツケースからごそっと、コスチュームとか、凶器シューズとか、束になったフォークとか、いろいろ出してきたんです。

「OK。全部買いますよ!」ってこっちで調べようとしたら、
「ノーノーノー」って。
「一個づつ交渉だ」って。
まずこのコスチュームはいくらで買うんだ?ってはじまって。
で、一個目から値段がだいぶ開いてたんで、交渉をつづけて、やっと折り合いがついたと思ったら、じゃあ次って、また高い金額から交渉がはじまって。
あれ、もう後はだいたい同じ金額でいいんじゃないの?
って内心思ったんですけど、ブッチャーのペースに任せてたら、本当にえらい時間かかって、日付も変わっちゃって(苦笑)
でもなんとか交渉がまとまったんですね。
 
▲ポーズをキメるブッチャー、脇には散乱するマネー!
 
よかったあと思って、買い取ったコスチュームを手に持ってもらって写真を取らせてもらったりして。
最後に記念に一枚お店に飾るようにサインを頼んだんです。
「今日はありがとうございました!ここまではビジネス、これはボクのメモリアルとして、色紙に一枚サインお願いしたい。TOUDOUKANって書いてプレゼントしてほしい」ってお願いしたら。
「スペシャルメモリー?。。。テンサウザント!」って言われて(苦笑)
え、なんで色紙一枚で1万円なんだあ、高けえって思って。
だいたいもう50万くらい買ってるのに、まだ1万って言うかなあっと思って、もういいやって断ろうとおもったんですが、
断る前にサラサラ勝手にサインしはじめて。

それまでは全部コスチュームとかは金額が合意した後にサインしてもらってたんですが、
こっちがOKって言ってないのに、書き始めた。
いやいや、1万円も払わないよって思ってたら、
パッとフォークを出して、私に渡して、おでこ突き出して、
「カモン!スティックミー!スティックミー!ヒア!ハリアップ!」って、
急に試合モードというか、すごいテンションで言われて(笑)
えぇーっと思ったんですが、
私もブッチャーの意図が理解できて。
それでも、1万円は抵抗あったんで、
「OK!ファイブサウザント」っていって、5000円手渡して、ブッチャーのあのギザギザのおでこにフォークをグサッと突き刺したんです。

ターザン山本:えぇ~。館長がブッチャーを刺したんだ(笑)

館長:でも、生きてる人間にフォークを刺すってもちろん初体験なので、遠慮して深く刺せないんです。

ターザン山本:そりゃそうだよ。

館長:そしたら「カモン!カモン!」って、もっと刺せって(笑)

で、グリッといったら、血がタラタラーっと垂れてきて。
そしたら、ブッチャーは自分が書いた色紙に血が滴った自分のおでこを「うーん」って押し付けてくれて(笑)

あー、これが伝説の血糊つきサインかあ!って。

すごい体張ったサービスするなあ、ブッチャーって。
感心して。
ありがとう!これ広告に使わせてくださいって、気持ちだけさらにチップ渡して引き上げたんですけど。
 
▲ブッチャーが自血で魚拓する瞬間!
 
ターザン山本:。。。(小声で)ブッチャーはね。会うたびに、最初に言う言葉は「マネー!マネー!」なんですよ。それは正しいわけですよ。ビジネスだから。アメリカ人らしいというか。日本人とは感覚が違うから。だからお金でケリつければいいんですよ。だから逆にやりやすいというか。
 
▲残り血がシーツに滴る
 
館長:まあそういう面はありますよね。
でも、あれはいい刺激的な思い出でした(笑)それがこないだ写真の日付確認したら、ちょうど2010年3月23日の深夜。創業10年目に入る記念日だったんです。

あと、もう一つ、忘れられないレスラーの想い出をあげるとすると、
ミル・マスカラスが店にきたときですかね。
ある日、突然来たんですよね。
素顔で。

ターザン山本:え、素顔で来たの?

館長:だから最初、マスカラスってすぐに気づかなかったんですけど、店に入ったときから独特のすごいオーラを放ってて。ポロシャツがパンパンのゴツい体、背筋をピンと伸ばした歩き方、そして丸い目をみて、アッとなって。
(あー、マスカラスだ!)って。そしたら自分の目の前通って、
そのまま内階段使って、6Fに上がっていったんですよね。スタッフもすぐ勘づいて私にどうしますかって訊いてきて。

一瞬キチンと挨拶しておくべきじゃないかとも思ったんですが。  

マスカラスって、昔他のプロレスショップにいって、自分を通してないマスクを販売してたので、怒鳴ってそのマスクをハサミで切っちゃったという業界の噂話を聴いていたので、もしかしたら、何かされるんじゃないかと緊張して。
防犯カメラで6Fの様子を見たら、ミル・マスカラスのマスク専用のショーケースの前で一人でジイーと突っ立てるんですね(苦笑)

ターザン山本:ククク

館長:うわあ、やべえって(笑)
これもしショーケース開けたら、大変なことになるんだろうかあって。
ここはやっぱり、そっとしておこう思って。
だいたいよく考えたら、素顔でいらっしゃってるのに、変にこちらから声かけるのも失礼だし。
あえて、声かけなかったんです。
そしたら、15分くらいして、また一人で降りてきて、こちらも普通に「グラッシャス!」っていったら、ニコッと笑顔でうなずいて何かスペイン語を返してくれて。そのまま帰っていったんです。

何事もなくよかったあと思ったんですが、翌日、マスカラスの代理人って人からメールがきて、ちょっとしたクレームというか、いろいろ細かい点をアドバイスいただいたってことはありましたね。
あんまりポジティブな話じゃなくて恐縮ですが。

ターザン山本:いやいや、すごくおもしろいよ。レスラーとのそいういう館長ならではの交流は、それだけでイベントにできるよ。

館長:言えない話も多いですけどね(苦笑)
あと、ナガヤビル時代で大きかった出来事は、力道山に関するお宝。なかでも百田家とのご縁ですかね。  
 
▲7年後、メキシコ・ルチャ万博で再会
 
⑮深化する"業態"   <目次>  ⑰格闘文化の継承>>
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