プロレスマスク、フィギュア、Tシャツなどプロレス・格闘技グッズの買取販売をしております

【闘道館】20周年記念特別対談 ~ターザン山本×闘道館館長~ 第6回

<<「⑥チケット取得代行業」   <目次> 「⑧帝国データバンク」>>

闘道館20周年記念特別対談
ターザン山本×闘道館館長

⑦ブックオフ早稲田

館長:その風俗情報誌が就職活動のスタートで。 うわあ勉強になるわと。 これ、やっぱりいろんな人に会うのはおもしろいなと改めて気づくんです。
で、就職活動っていうのはどこでもいける、好きな会社の中に入って、そこで働く人と直接会って人生を覗ける。

ということでいろんな会社を120社くらい、片っ端からまわりました。
内定取るためというよりは、いろんな会社をみて生の社会というものを学ぶために。
大手のマスコミ、商社、銀行や証券の金融機関、そういう俺たちが日本を支えているんだという自負がある大企業から、上場を目指してるベンチャー企業、会社は小さいけど昔から続いている老舗起業、創業したて2-3人で始めたばかりのとことか。毎日日記というか記録に残しながら。

ターザン山本:うーん、とてもいいことですよお。その体験。連続面接体験というかさ。

館長:予定をぎっしり。ワーっと説明会受け続けて。1日何人もOBに会い続けて。

ターザン山本:別に通る気はないから楽ですよ

館長:そうそう、入社試験受ける前に、説明会聞いて、OBと会って話して満足しちゃう。
ああ、ここはこういう仕組みで、こういう人生かあって。
宇宙開発事業団とか、音楽著作権のJASRACとか、当時社会問題になりかけてた消費者金融とか、自己啓発系のナポレオンヒルの会社とか、興味本位だけで。硬いところからいかがわしいところまで、 いろんな会社で働く人生をスキャンして自分のフィルターに取り込んでいくとゆうか。
そのなかで、ずっと古本屋が好きで興味あったんですけど、ブックオフが台頭してきてて。

ターザン山本:ブックオフ。はい。

館長:ブックオフの坂本孝社長。
それまで古本の世界は10年くらい修行してはじめて、本の仕入れというか、値付けができるという世界から、ブックオフは本の状態の綺麗さだけで判断して、定価の1割で買い取って5割で売る。そしたら入ったばかりのアルバイトでも値付けができちゃいすよねっていう形でチェーン展開しはじめた、やわらかい発想の社長さんがいて。
全国に一気にフランチャイズ展開を進めていて。まだ上場前だったんですが、当時注目のベンチャー起業家の一人で、

ターザン山本:うん。知ってますよ。
 
▲ブックオフ創業者・坂本孝社長
 
館長:その坂本社長のこと、伝記みたいな本を読んで前から知っていたので、ブックオフ受けたら、坂本社長とも会えるかも。出会いがあるかもって、ブックオフの会社説明会、エントリーして神奈川の古淵まで受けに行ったんです。
そしたら何百人か、学生が大勢集まったなかで、坂本社長が自ら会社説明というか講演をして。
最後に「なんか質問がある人」って。当時はイケイケなんで、真っ先に「はあい!」って手をあげて。
今思い出すと恥ずかしいんですが、少し生意気な質問をしたんです。
「本ではすごくいいこと書かれてましたけど、今日来てみたら、こうこうこういう問題がみえて、社長の理想が具現化できてないと思いました」みたいな(苦笑)

ターザン山本:パチパチパチ。それでいいんですよ。目立つことは大切ですよ。

館長:そしたら社長は「あなた、痛いとこつく質問するね」って笑って答えてくれて。
で、他に質問ってなったら、シーンとして誰も手をあげないんです。

ターザン山本:日本人の駄目なとこですね

館長:じゃあ誰もいないんなら遠慮なくって、もう一回手を上げたんです。
そしたらだいぶインプットしてもらえたみたいで。

で、そのやりとりの続きをしたくて、最終面接までいけば坂本社長と話せるので、そこまで受けてみようかと。選考を受けたんです。

そしたら最終面接で、坂本社長が「よお、きたか、待ってたぞ」って感じでニコニコ座っていて。
「あなたが一番好きな歌はなあに?」って聞かれて。
「長渕剛のキャプテンオブザシップという歌です!」って答えたら、
「じゃあその歌、ここで1章節歌って見て?」って言われて(苦笑)、人に気軽に披露できるような歌ではないので、ゲっ!てなったんですが、
♪生きてぇ、生きてえ、生きてえ、生きて、生きて、生きまくれぇ!って、冷汗流して歌ったら、
社長が「ご苦労!」って(笑)

そこからバーっと社長に自分のそれまでの経緯と将来は自分で商売をしたいんだっていう思いを不器用ながら熱く語ったら、内定もらっちゃって。

だけど、そもそもブックオフに就職するつもりはなかったので、内定すぐ断ったんですね。
でもなんか縁があったんですね。
不思議なんですけど、内定を断ってからそんなに日を置かないで、
たまたま坂本社長と再会する機会があったんです。

ターザン山本:そういうことあるんですよ

館長そこでも厚かましくこちらから声をかけて挨拶したら、
そしたら、坂本社長の方が一瞬押し黙ったんですが、パッとスイッチ入っちゃって。
「あなたと、なんかやりましょう!」って(笑)
で、
「現役の大学生だけでブックオフのお店を経営するっていうのを前からやってみたかった。
学生でも店を経営できるんだってことを世の中にみせてやるんです。
そのモデルケース、最初の1号店を、
『ブックオフ早稲田』って名前でブックオフ本体とは別の法人にして、
あなたがその社長をやるんです!」
ドドーン!って笑うセールスマンみたいに、指さされて(笑)

ターザン山本:いきなり社長ですか!?へぇー  、館長が持ってるものを見抜いたんだね。そういう社長は一発で人を見抜くから。

館長:でもボクなんて、ブックオフ側からしたら裏切りものじゃないですか、内定出したのに蹴ったわけですから。
その時点で帝国データバンクにも内定もらってそっちにいく腹は固まってたんで、それも全部伝えても、
「それでいいから卒業まで期間限定でいいから」って。

「どうせあなたみたいな人間が大企業に就職したってつまんなくなって3年持たないから、そしたらまたそのときにこっちくればいいから、まわりのことは何も気にせず今思うようにやりなさい」とまで言っていただいて。
「お金は全部こっちで出す、物件もこちらでみつける。あなたは仲間を集めチームをつくって運用しろ」と。そこまで坂本社長に言われたら、こんな夢みたいな刺激的な話ないので。

「残りの学生時間すべてを使って、喜んでやらしてもらい絶対成功させます!」ってなりました。

ターザン山本:ハハハ、すごい話だねえ。

館長:すぐに坂本社長が仕掛けて、日経新聞の記者に取材させ、朝刊に「社長も社員も大学生の学生ブックオフを設立するって。初代社長は早稲田大学5年生泉高志氏」って、全国版の新聞記事になっちゃって(笑)
 
▲日経新聞に掲載された記事(98年8月17日朝刊)
 
ターザン山本:日経の朝刊!?

館長新聞出た当日に、帝国データバンクの人事部から、「どうなってんだ。ちゃんと説明しろ」って呼び出しがあったり、大阪の親からも「新聞みたけど5年生って書かれてて恥ずかしい」って、そこかい(笑)っていう電話がかかってきたり。

ターザン山本: そりゃ大騒ぎですよ(笑)

館長:こちらもすぐメンバーを集めて、どうやっていくか定期的にミーティング重ねつつ。
で私個人も学生たちの先頭を走るためには、物件が決まる前にブックオフをまるごと先に学んどかなきゃって、ちょうどブックオフの荻窪駅前店がオープン直前だったので、そこにバイト代いりませんからって、こっちから言ってタダ働きさせてもらい、店長につかせてもらってオープン前からの店作り、オープン前日のスタッフの決起集会、オープンセール、車での出張買取とか一通り学ばせてもらいました。

ターザン山本:えらいね。

館長:坂本社長からもなんでも見とけって、社内会議に参加させてもらったり、 社長はお酒が大好きで毎日いろんな方とノミニケーションされてたんですが、
そこにもしょっちゅう呼ばれて同席させてもらい、社長の交友関係の中を100%じゃないんでしょうが、おそらく80%くらいはあけっぴろげにみせてくれて。

ターザン山本:特別扱いされたんだね    

館長:まあ大多数のブックオフの社員以上に可愛がってもらいました。呑んだら毎回口癖のように「こいつが一番好きなんだ」って、もちろん嬉しいんですが余計な嫉妬を買ってんじゃないかということをまわりに言いまくってくれて(苦笑)
  たぶん社長の周りはなんでコイツがここまで社長にエコひいきされてんだって不思議に思われてたと思うんですが、  

ターザン山本:でも関係ない。ときにエコ贔屓は大切ですよ。

館長:で、僕は僕で、ブックオフ早稲田をどうせやるんであれば、普通のブックオフの店をやっても面白くない。
ブックオフ側としては、ごく普通のブックオフをやらしたかったんです。学生でもできるビジネスモデルなんだってことをみせて、フランチャイズを広げていきたいというか。
まあせいぜい、教科書の買取を、書き込みがあったら、普通は査定額下がるかそもそも買い取らないけど、逆にテストで使えるから高く買うようにしようってくらいで。
でも、私からすると、そんなの普通だなと。せっかく学生がブックオフやるならもっと特別なことを色々仕掛けていきたいって。

ターザン山本:うん

館長:例えば、早稲田は学生演劇がすごく流行ってて、劇団もいっぱいあって、ボクも学生演劇見るの大好きだったんですが、でもそれぞれバラバラにチラシを校内に貼ってチケット売ってたんです。どこでいつなんの劇団がどんな演目をやるのか、統一した公演情報媒体がなかった。
それを全部まとめてブックオフ早稲田の店内にインフォメーションセンターをつくって、チケットを売れば学外の人でも気軽に買えて便利だし、劇団も喜ぶんじゃないかと。学生と地域社会を結びつける情報拠点にできるって。まだインターネットが対して普及してない時代だったんで。

ターザン山本:チケットぴあみたいなものですね

館長:そうです。そうです。そういうものをつくりたいと。そんなのできるのってまわりは言うから、じゃあ話つけてきますって。
演劇サークルの集会、主に小劇場とかの予約を取るための集まりがあったので、そこにブックオフ早稲田の他のメンバーをつれて乗り込んでいって、会議の途中で時間もらって、企画と趣旨をレジメを渡して説明して、
まあ、劇団の人たちは「古本屋でチケット?」って不思議そうな反応だったんですけど、「まあ悪い話じゃないね」って、「お店がはじまったら使わしてもらいましょうか」って賛同してくれて。
よしこれが手始めにしてうまくいけば、演劇以外の他のLIVEをやってチケットを売るようないろんなジャンルのサークルも全部巻き込んでやろうって、計画立てたりして。
 
▲店内イベント情報コーナーのプレゼン資料1
 
▲店内イベント情報コーナーのプレゼン資料2
 
ターザン山本:アイデアマンですねえ。

館長:そういった企画をいくつか温めながら、自分のなかではかなりおもしろい店ができるとイメージだけはできあがってたんですが、、、
肝心の物件がみつからない。大学のすぐそばじゃないと意味がないですって、リクエストしてたこともあったのですが。
夏が過ぎ秋が過ぎって残り時間がなくなってゆく。 早くスタートしなきゃって焦っても、物件がなければはじめようがなく、やることなくなってきて、私もメンバーも少しづつ熱が冷めていく。

結局、当初予定していた11月オープンはおろか、年を越しても物件はみつからなく、タイムオーバーになっちゃったんです。
拍子抜けというか。
で、メンバー同士もここまで準備してきたのになんだったんだって1人ぬけ2人ぬけ、残ったメンバーも仲がぎくしゃくして内部分裂みたいになってきちゃって(笑)

そもそも現実のお店もないなかでの、空想を夢みて共有する関係だったのが実現しないとわかって醒めてしまったというか。。。

ターザン山本:バーチャルだったんだね。

館長:坂本社長からは、来年以降もこのプロジェクトを継続させるために、後輩だけはつけてくれってお願いされたんですが、
当時は実態がまだ何もないものに、自分の責任でまた後輩を勧誘して同じように夢みさせるのは、なんか嫌だなあとおもっちゃって、
いやもう一旦白紙にしませんかって、すみませんって、解散させてしまったんですね。

ターザン山本:空中分解!

館長:で、数年後。たまたまどっかの会場で、坂本社長とバッタリ再開したときに、
私の顔をパッとみつけて、
「あー!、ブックオフ早稲田を壊したA級戦犯がいたぞ!」って大声で言われて(笑)

ターザン山本:アハハ、パチパチパチ

館長:でも覚えててくれて嬉しかったし、私にとっては学生時代の最後の花火を、不発には終わったんですが、高く打ち上げてもらったことはすごく感謝していて。

私のなかでは、空手の先生は東孝。ビジネスの先生は坂本孝。 プロレスの先生は山本隆司(ターザン山本)。
3人のお世話になった尊敬する「たかし先生」なんです。たまたま自分も同じ「たかし」なんで(笑)、おもしろい縁だなあって感じてます。
 

ブックオフ創業者・坂本孝社長

<<「⑥チケット取得代行業」   <目次> 「⑧帝国データバンク」>>
【闘道館20周年コンテンツ】

最新のお知らせ

商品カテゴリ

facebook