プロレスマスク、フィギュア、Tシャツなどプロレス・格闘技グッズの買取販売をしております

【闘道館】20周年記念特別対談 ~ターザン山本×闘道館館長~ 第6回

<<「⑤格闘空手 大道塾」   <目次> 「⑦ブックオフ早稲田」>>

闘道館20周年記念特別対談
ターザン山本×闘道館館長

⑥「チケット取得代行業

館長北斗旗で一度燃え尽きて、で、ふと周りをみるともう3年の途中から、みんな就職活動はじめてるんですよね。

ターザン山本:そういうことですよ!ボクは映画研究部で、映画に情熱を持っていたんだけれど
3年から4年になると周りは就職活動しはじめて、社会にさあ、組み入れられようとしていくわけです。
変身していくわけです。青春を期間限定みたいにしていくから。

館長:その通りです。

ターザン山本:それに対してボクは絶望感みたいなのを感じて。
じゃあその、これまで3年間やってきたことはなんなのと。
これはこれ。あれはあれで、社会に入っていくのって。頭にきたんだよね。

館長:フフフ
でも、私は4年になってもその時点では就職する気なんてまったくなくて。卒業したら、なんでもいいから起業したらいい。
自分だったらなんでもできるって、根拠のない自信があったんです。
とにかく自分で何か商売始めりゃいいやって。でも具体的に何をするってなかったんです。

ターザン山本:うんうん

館長:で、空手以外のほかの活動もいろいろしている中で、たまたま縁があった知り合いで、
一人で商売している人がいた。
「チケット取得代行業」ってことをやってる社長さんがいた。それは例えば宝塚のチケットとか、巨人戦のチケットとか、
人気アーティストのコンサートとか、争奪戦になってなかなか取れないようなチケットを、

ターザン山本:宝塚なんか取れないよ。

館長:そんな取りにくいチケットを代行で予約を請け負って、特殊な電話回線の機械をつかって、サササッとチケットピアにつないで発売と同時にゲットとして、まわすという。
なんでもチケット取りますよ。その代わり手数料チケット一枚3000円もらいますよっていう商売を
自分でおもいついて実際にそれで食ってる社長さんがいたんですね。

ターザン山本:珍しい職業だねえ、チケット代行業?すごいですねえ。

館長:ちょっと怪しいですけどね

ターザン山本:ずいぶん怪しいですよ。抜け道ですよ

館長:でもその仕組みを自分で考えて、稼いで食ってく。
なるほどなあ、自分で生きてくってこういうことなのかなあと感心したんです。
感心しつつ、じゃあせっかくなんで、「私も噛ませてください」って、その社長さんにお願いしたんです。
「お客さんをボクが引っ張ってくるので、取れたら3000円の一部、500円をください」って。
大体2枚で申し込む人が多いので、そうすると取れれば、6000円のうち1000円のバックが入る。
一日10件取れれば、1万円。20件で2万円になる。2万円取れたら、学生としてはかなりいい稼ぎになる。
そう皮算用して(笑)

ターザン山本:学生で1日2万円はなかなか稼げませんよぉ

館長:で、当時携帯が普及しはじめていたころで、携帯電話をはじめて契約して、チラシをつくって。
手書きで「チケット取ります!」って汚い字で書いて(笑)
当時まだ革マルが仕切っていた学生自治会の印刷機が使えたんで、サークルのチラシを刷るのと同じ感覚で紙代だけの負担で大量に刷って。
それを都内の一般の住宅地をまわってコツコツポスティングするっていう(笑)
そういうことをやってみたんです。
それがボクにとってはじめての「社会」との「試合」でした。市場というリングの洗礼をうけるというか。
 
▲当時撒いたチラシ

ターザン山本:ハハハハ、マーケティングに参加したんだ!まあ言えば、闇の仕事ですよ。闇ビジネス。

館長:はい。客観的にみれば、怪しいし、条件的にも今思うと、とてもうまく行く話じゃないんですが、
当時の自分は一所懸命にやれば、なんでも結果が返ってくると信じてた。
まあようするに甘かったんです。
だいたい千枚ポスティングしたら、1件電話が鳴るというか。

ターザン山本:率悪いねえ

館長:で、たまに電話が鳴るんですが、「受付時間12時~21時」って書いてても
、関係なく朝から深夜まで突然鳴るんです。
で、そういう電話対応の基本なんて受付のバイトとかやったこともなく、なにもわかってないから、対応がキョドルわけです。

ターザン山本:ああ、慣れてないんだ

館長:「あああ、あの~、電話してくれて、、、えー、すみません」みたいな(笑)なんでまず謝ってるんだって(笑)

ターザン山本:アハハ。普通だったら「いらっしゃいませー!ご要件は!」って元気にいかなくちゃねえ

館長:自分でも嫌になるぐらい、怪しい不安定な対応で。しかも電波が悪かったりしてすぐ途切れるし。
注文かと思ったら、「うちに投函するな」って、クレームの電話だったり(苦笑)
で、なんとか予約申し込んでもらっても、その社長さんも全部のチケットをとれるわけではなかった。
うまく取れなかったとか、結構あるんですよ。
そもそもそんな怪しい業者に手数料払ってでも取りたいチケットなんて超超難関ばっかりですから。
なんでも取れるって言うんですけど、実際の成功率は50%くらい。
しかも予想してたより1枚だけの申し込みが多かったり。

ターザン山本:散々だねえ

館長:で結局、あんな労力使って、1か月で手にできるのは1万円くらい。そっから電話代引いたら、、、

ターザン山本:何も残んないじゃないですか

館長:何か月か頑張ったんですが、どうにもこうにも採算が合わない。現実のビジネスって難しいなあと。
あと、売り上げ以前に自分の社会人としてのできなさ加減に、心底うんざりしたというか、ショックを受けたというか。

深く反省して、そこで思ったんです。
これは一回、社会を学ぶ必要があると。
勉強する必要があると。
それまで、プロレス、格闘技、長渕、古本屋巡りとか、自分の趣味を掘り下げていった延長戦に何かあると思っていたんですが、
このままだと何もつかめないなと。
将来的には起業するけでも、一回就職して社会勉強しないとどうにもこうにもまずいなと。

ターザン山本:組織内で勉強しなきゃダメだな

館長:って思って、でもその時点で4年生も後期になっていて、就職活動の時期はほぼ終わってるんですよね。
これは仕切り直す必要があると。
だからもう一年、わざと留年して5年生までやることにして。
それで一年遅れで就職活動の準備を始めるんです。

で、4年の12月頃に、まだギリギリ卒業したら、就職間に合いますよっていう案内が下宿のアパートの郵便受けにポンと届くんです。
「まだ入れますよ」って。「マスコミの編集ライターになれるよ」って。
まあ、住所が歌舞伎町だったんで怪しいなあと思ったんですが、面白そうだと。

ターザン山本:怪しいですよ。風俗みたいなもんですよ

館長:そうそう。で説明会受けに行ってみるんです。受けに行ったら、今まで内定取れなかった学生たち10人くらいがいて、説明会参加して。
説明の途中で、実はって会社の人がカミングアウトするんです。
「うちは風俗情報誌なんです」って

ターザン山本:やっぱり!風俗新聞ですよ。

館長:「風俗に抵抗ある人は帰ってください」って。そしたらぞろぞろって、半分くらい席を立って帰った。
でもボクは興味深々で一番真ん前でメモをとりながら話を聴いてたら、説明会の後、そのまま会社の人がさっと寄ってきて声かけられて
「実は俺も早稲田出身なんだよ、よかったらこのまま飲みに行こう」って誘われたんです。
それが、最初のOB訪問になったんです。

ターザン山本:ふーん

館長:風俗業界やそれを取材する裏話、苦労話をいろいろ教えてくれる。
これはおもしろいなあと、こういう人生もありかなと。
気持ちが少し揺れだすんですが、でも途中そのOBの携帯に電話かかってきて、電話相手と怒鳴りあってるんですね(笑)
私には優しい声でニコニコ話してくれるのに、電話には急変して怖い顔して怒鳴りちらす。
ややこしいなあ。これが社会かと(笑)裏表あるなと。

ターザン山本:ハハハ、おおあり。本音と建て前は違うから。


<<「⑤格闘空手 大道塾」   <目次> 「⑦ブックオフ早稲田」>>
【闘道館20周年コンテンツ】

最新のお知らせ

商品カテゴリ

facebook